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更年期と仕事

目次

1. 更年期は働く世代の課題

更年期は、仕事や家庭で重要な役割を担う40代~50代の働く世代に訪れます。

  • 女性は45~55歳頃、男性は40代ころから、ホルモンの変化により心身の不調が現れます。
  • 仕事の責任が増える時期と重なるため、仕事のパフォーマンス低下や人間関係のストレスが大きな問題となることがあります。
  • しかし、多くの人が「自分だけの問題」「年齢のせいだから仕方がない」と考え、無理をしがちです。

💡 更年期は誰にでも訪れるもの。正しい知識と対策を持つことで、仕事を続けながら乗り越えることができます。


2. 更年期が仕事に与える影響

更年期の症状が仕事のパフォーマンスや職場環境に影響を与えることが知られています。

(1)仕事のパフォーマンス低下

  • 集中力や記憶力の低下 → 仕事のミスが増える、業務処理に時間がかかる
  • 判断力の低下 → 迅速な意思決定が難しくなる
  • 疲れやすさ・倦怠感 → 体力が持たず、長時間の業務が負担になる
  • 睡眠障害による影響 → 睡眠不足が続き、日中の眠気や頭の回転の低下を引き起こす

(2)人間関係・職場環境のストレス

  • イライラしやすくなる → 部下や同僚への態度が厳しくなることがある
  • 気分の浮き沈みが激しくなる → 職場でのコミュニケーションが難しくなる
  • 対人関係のストレス → 些細なことで落ち込みやすくなり、周囲との距離が生まれる

(3)キャリアや働き方への影響

  • 更年期症状が原因で仕事を辞める人もいる
    • 研究班の調査によると「体調が優れず退職を考えたことがある」という声があった →リンク
  • 昇進や責任ある仕事を避ける傾向

3. 職場でできる更年期対策

更年期の影響を軽減し、無理なく働き続けるための対策を考えましょう。自分でできる工夫と職場に求める配慮

(1)自分でできる職場での工夫

体調に合わせて仕事のペースを調整する

  • 重要な業務は体調が良い時間帯に行う(朝の方が集中できる人が多い)
  • 可能なら時差出勤や在宅勤務を活用する

休憩をこまめにとる

  • ほてりや動悸が気になる場合、深呼吸や短時間のストレッチでリフレッシュ
  • 目の疲れや集中力低下には、5分程度の軽い休憩を挟む

水分補給と食事管理を意識する

  • カフェインやアルコールの摂りすぎを避け、バランスの良い食事を心がける

確実な受診を継続する

  • 症状が改善しない場合の医療機関の受診は優先順位の高い内容です
  • 主治医と相談しながら自身の体調にあった適切な治療を継続しましょう
  • 治療による症状のコントロールは就業継続に役立ちます
  • 治療の自己中断は避けましょう。

周囲に相談できる環境を作る

  • 無理に症状を隠さず、信頼できる同僚や上司に相談する
  • 産業医や人事部に相談し、業務調整を依頼する

(2)企業・職場でできる対応のヒント

まずは、企業側も更年期を正しく理解することが必要です。
更年期の症状は人それぞれで、セルフケアや医療機関の受診をしても症状のコントロールができない人もいます。
そのことを踏まえ、職場環境の整備を進められることを実践しましょう。
以下はそのヒントです。

🔹 確実な受診ができる環境整備をする
仕事が忙しすぎると受診が滞りがちになる方もいます。

🔹 フレックスタイム・在宅勤務の活用
体調に合わせて勤務時間を柔軟に調整できるようにする

🔹 職場の温度調整
ほてりや発汗がある人のために、デスク周りの温度調整を可能にする(小型ファンの設置、温度調整可能な空調など)

🔹 更年期に関する社内研修の実施
更年期を正しく理解することで、同僚や上司の理解が深まり、サポートしやすくなる

🔹 社内の産業保健リソースおよびEAP(従業員支援プログラム)の活用
産業保健スタッフ(産業医・保健師・看護師など)や社内外カウンセラーと連携し、メンタルケアを提供


4. 更年期とキャリアの両立

更年期は、キャリアの終わりではなく、新しい働き方を見つけるチャンスでもあります。

仕事以外の時間を充実させる

  • 趣味やリラックスできる時間を作ることで、仕事のストレスを減らす

セルフケアや治療による体調改善が乏しい場合には治療と仕事の両立支援の申出を行う

  • まず実践するのは自分で体調のコントロールをするためにセルフケアと医療機関受診になります
  • 自分ひとりでコントロールすることが容易でない場合は職場に治療と仕事の両立支援の申出をします

必要なら転職や部署異動の申出も視野に入れる

  • 体調に合った働き方ができる環境を選ぶのも一つの選択肢。人事制度などで部署移動の申出ができる企業などでは自分の体に合った仕事を選択するのもありです。

無理をしないキャリアプランを考える

  • 今の働き方を少し変えたら楽になるかもしれない」と視点を変えてみる
  • 昇進や責任ある仕事を諦めるのではなく、自分のペースでできる形を模索する

5. まとめ

  • 更年期は、仕事や家庭で責任が増す時期と重なり、多くの人が影響を受ける
  • 仕事のパフォーマンス低下や人間関係のストレスが生じやすいが、適切な対策で乗り越えられる
  • 職場でのセルフケアと、企業のサポートが受けられるよう両立支援の申出をすることがカギ
  • 更年期を機に「働き方を見直すチャンス」と考え、無理せずキャリアを続ける工夫を

更年期は、正しく対策すれば乗り越えられます。
自分に合った働き方を見つけることが、更年期をうまく乗り切るポイント」です!


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