がん患者の職場復帰に関する国際レビュー

少し古い論文(2015年)ですが、職場復帰に関するコクランレビューについてご紹介します。患者教育やセルフケアといった心理教育的介入は従来のケアと比較し復職率やQOLへの効果に差がみられませんでした。1件の試験では、乳がん患者に対し身体訓練プログラムが提供されましたが、職場復帰(RR 1.20、 95% CI 0.32 ~ 4.54、患者 28 例)とQOL(SMD ‐0.37、95% CI ‐0.99 ~ 0.25、患者41例)の改善の効果は見られませんでした。5件のRCTで総合的介入(職業カウンセリングのほかに患者教育と患者カウンセリング、さらにバイオフィードバックを用いた行動訓練あるいは身体訓練の組み合わせ)では、中等度の質のエビデンスとして、身体的、心理教育的、職業的要素を含む総合的介入の方が、従来のケアよりも復職率が高かったことが示されています(RR 1.11、95%CI 1.03~1.16、患者450例)。QOLの評価項目については、総合的介入と従来のケアとの間に効果に差はみられていません(SMD 0.03、95%CI ‐0.20~0.25、患者316例)。

このことから、医療機関での支援はただ単に相談に乗るだけではなく、仕事のことまで含めたアプローチが必要であることが示されています。

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この記事を書いた人

産業医科大学 産業生態科学研究所 災害産業保健センター 教授
産業医科大学病院 就学・就労支援センター 副センター長
産業医科大学病院 両立支援科 前診療科長(初代)

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