各研究班の研究成果

厚生労働省の研究補助事業による多くの両立支援の研究班が存在します。このページでは、それら研究班のHPを紹介しています。研究班ごとに特色のある最先端の研究がおこなわれています。両立支援についてより詳細に知りたい方はそれぞれの研究班を確認してみるといいでしょう。研究成果については、直近の研究班の成果物を先頭とし、順に並べています。研究成果や所属は研究実施時のもので現在のものと必ずしも一致しない可能性があります。

目次

事業場で両立支援の配慮の検討方法に関するツール

通称:治療サポ
産業医や産業看護職などの医療職が社内にいない中小零細企業での活用を想定して作成されています。医療職がいなくても、本人、上司、人事担当者が、症状と仕事の内容から、本人に必要で、社内で実施できる就業上の配慮を具体的に検討することができます。本人、上司、人事担当者が、本システムを使って話し合いをすることで、それぞれの思いを活かした形での治療と仕事の両立支援に関する合意形成に役立ちます。

2021年~2022年度 労災疾病臨床研究事業費補助金 (200201-01)
『事業場において治療と仕事の両立を支援するための配慮とその決定プロセスに関する研究』
研究代表者 産業医科大学 江口 尚

医療機関で作成される意見書作成の支援ツール集

医療機関の両立支援の中でも、意見書を作成するための研究成果として、①職場映像(映像コンテンツ)、②症状別配慮集(意見書作成支援ツール)、③両立支援促進ツール(マンガ等)が公開されています。

2020~2021年度 厚生労働科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業 (20JA0601) 
『医療機関における治療と仕事の両立支援の推進に資する研究』
研究代表者 産業医科大学 立石 清一郎

中小企業での両立支援実践のヒント集

中小企業で両立支援を網羅的に実践することは困難です。むしろ、背伸びのない範囲で具体的に実践していくことが必要になります。そのためのツールとして、企業向けアクションチェックリストや中小企業人事担当者向け動画などの公開がなされています。

2019~2021年度 厚生労働科学研究補助金労働安全衛生総合研究事業 (19JA1004)
中小企業等における治療と仕事の両立支援の取り組み促進のための研究
研究代表者 産業医科大学 立石 清一郎

治療と仕事の両立を行うためのストレスマネジメント

治療と仕事の両立をするときに、当事者は仕事上のこと、治療のこと、家族のこと、ストレスに晒されることになります。しかしながら、目の前のことに精一杯で自らがストレス状態にあることに気がつかないことも多くあります。本研究班では、両立支援におけるストレス状態を「脳疲労」と名付け、脳疲労状態にある当事者の評価、および、当事者のセルフケアの方策、支援者として提案できること、などについて資料がまとめられています。

2018~2020年度 労災疾病臨床研究事業費補助金(180601-01)
『治療と職業生活の両立におけるストレスマネジメントに関する研究』
研究代表者 大阪大学 平井 啓

「治療と仕事の両立支援」の実践へ向けて、
自社の強みと改善すべき点を把握できるチェックリストの開発

実際に“治療と仕事の両立支援”を進めていくうえで、「自分の会社は何ができていない?」「具体的には何から手をつければよい?」 と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。まずは、 簡易的なベスト 11 と、全国 1,710 社の平均と比較ができる 30 項目チェックリス トを使って、あなたの会社の現状を把握してみませんか?足りない部分を補うために役立つ解説と好事例も具体的に紹介されています。

2017~2019年度 労災疾病研究補助金 (170401-01) 
『企業・産業保健スタッフ・医療機関の連携による両立支援システムの開発』
研究代表者 東京大学 松平 浩

事業場内外の産業保健スタッフと医療機関の連携モデルとその活動評価指標

本研究班では成果物として、中小企業における治療と仕事の両立支援のススメということで、ヒアリング成果をもとに、主に治療と仕事の両立支援の推進において課題となっているリソースの限られている中小企業向けに、一般的な事例、社会保険労務士の活用、労働衛生機関の活用、などを紹介しています。中小企業の経営者や人事労務担当者の啓発に有効な ツールとなっています。また、セミナーの報告書も掲載しています。

2017~2019年度 労災疾病研究補助金 (170401-02)
『治療と就労の両立支援のための事業場内外の産業保健スタッフと医療機関の連携モデルとその活動評価指標の開発に関する研究』
研究代表者 北里大学 堤 明純

医療機関における両立支援の取り組みに関するツール集

こちらの研究班では、医療機関での両立支援の取り組みが促進するよう、広報・啓発資材や導入する際の実際の手順などが示されています。以下の4つの資料のダウンロードが可能です。
【広報啓発資料】
医療者向け啓発チラシ
両立支援院内チラシ
【情報ツール】
医療機関における治療と仕事の両立支援導入ガイド
配慮事項一覧(乳がん・大腸がん編)

2017~2019年年度 労災疾病研究補助金 (170402-1)
『医療機関における両立支援の取り組みに関する研究』
研究代表者 横浜労災病院 中村 俊介

ウイルス性肝炎と両立支援の研究

ウイルス性肝炎は検査をすれば確実に早期発見ができること、特にC型肝炎において治療成績が格段に向上したことを受けて、数多くの両立支援研究が実施されています。
働く人の肝炎検査と治療ガイド
会社で肝炎検査を実施する際の労働者の同意の取り方や、肝炎疾患の両立支援に関する情報がまとめられています。
2017~2019年度厚生労働科学研究費補助金疾病肝炎等克服政策研究
『職域等も含めた肝炎ウイルス検査受検率向上と陽性者の効率的なフォローアップシステムの開発・実用化に向けた研究班 』(H29-肝政-一般-004)
研究代表者 国立国際医療研究センター 是永 匡紹
健康経営のためのウイルス肝炎対策
主に企業の視点で肝炎対策について、検査、精密検査、治療中の労働者の配慮の方策、健康経営の観点などに言及しています。
2014~2016年度厚生労働科学研究費補助金疾病肝炎等克服政策研究
『職域におけるウイルス性肝炎患者に対する望ましい配慮及び地域を包括した就労支援の在り方に関する研究 』(H26-肝政-一般-002)
研究代表者 東海大学 渡辺 哲

身体疾患を有する労働者を適切に評価するための復職データベースと標準的な考え方

事業場での事例調査をベースに、職場での配慮に関する標準的な考え方について提案しています。職場における復職ガイダンス(標準的な考え方)の公表と、428事例からなる事例集は検索機能なども備えており職場での対応時に類似する事例を参考にすることが可能となっています。

2016~2018年度 労災疾病研究補助金(160601) 
『身体疾患を有する労働者が円滑に復職できることを目的とした、科学的根拠に基づいた復職ガイダンスの策定に関する研究』

研究代表者 産業医科大学 立石 清一郎

主治医と事業場(産業医等)の連携方法「両立支援パスガイド」の開発

主治医と事業場(産業医等)の産業医が連携するために必要な要素として、患者さんの困りごとを双方が理解できることばに言語化する「10の質問」というツールが公開されています。また、当時は主治医発信であった両立支援の流れについて、いち早く事業場発信で対応することを提案した研究成果ツールとして「両立支援パスガイド」についても公開されています。

2014~2016年年度 労災疾病研究補助金 (14010101)
『身体疾患を有する患者の治療と就労の両立を支援するための 主治医と事業場(産業医等)の連携方法に関する研究-「両立支援システム・パス」の開発』
研究代表者 産業医科大学 森 晃爾

職域における中途障害者に対する関係者間の望ましい連携のあり方

本研究班では、主に就職後に発症した中途障害者を対象に、その就労継続支援に資する情報を掲載しています。両立支援関係者や当事者に登壇をいただいた研究会の報告書や、産業保健職・人事担当者向け 難病に罹患した従業員の就労支援ハンドブック、雑誌労働の科学に全12回にわたって掲載を両立支援に関する連載が掲載をされています。本成果物や出版物を確認いただくことで、就職後発症した難病患者の両立支援についての知見を深めることができます。

2014~2015年度 厚生労働科学研究費補助金政策科学推進研究事業(H26−政策−若手−013)
『職域における中途障害者の実態調査とそれに基づく関係者間の望ましい連携のあり方に関する研究』
研究代表者 北里大学 江口 尚

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