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ライフステージごとの女性ホルモンの増減

女性のライフステージごとの健康は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量と深く関わっています。女性は年齢とともに4つのライフステージ(思春期・性成熟期・更年期・ 老年期)を経験します。
女性の心身の健康に深く関わるエストロゲンは、思春期に初経の直前から増加し始め、月経や乳房の発育などを促します。その後、10代後半から40歳頃までの間は月経周期によって変動しつつも、エストロゲンは高いレベルで維持されます。この時期は妊娠や出産に適した時期であり、性成熟期といいます。
性成熟期のあとは更年期を迎えます。男性の性ホルモンが加齢によって緩やかに下降するのに対し、女性では急激な減少と喪失という、性ホルモンであるエストロゲンの動きが40歳代後半~50歳代に訪れます。つまり50歳前後の更年期にエストロゲンのレベルが急激に低下していきます。50歳前後で閉経を迎えた後は、エストロゲンは性成熟期の1割ほどのレベルにまで低下するといわれています。

ライフステージごとの体調の変化
思春期
初経が始まってから月経が安定するまでの期間を言います。妊娠・出産が可能なからだへ整う過程で、女性特有の不調や悩みも増え始めます。
性成熟期
大きく前期と後期に分けられ、前期は妊娠、出産に適したからだがつくられます。一方、30代半ばからの後期はホルモンの分泌量が減少し、病気やトラブルも増え始めます。
更年期
日本女性の平均閉経年齢は50.5歳と言われ、この前後5年間が更年期と呼ばれています。女性ホルモンの分泌が急激に減ることによって、体調に変化が起こりやすい時期でもあります。
老年期
閉経後は女性ホルモンの分泌量が乏しくなります。更年期の体調のゆらぎは収まる一方で、ホルモンによって保たれていた骨、皮膚、血管などの健康が損なわれやすくなります。